MiniPC クラスタの消費電力実測と電気料金への影響

  • 対象: 自作 MiniPC クラスタ (node1/node2/node3 + SG3210X-M2)

  • 調査日: 2026-07-28

  • 関連: 構築プラン

7月の電気料金が6月より総じて割高だったため、MiniPC クラスタ(2026-06-25〜27 に構築、以降24時間稼働)の寄与がどの程度かを RAPL (CPU パッケージ電力センサー) の実測で見積もった survey。

TL;DR

項目

CPU パッケージ電力合計 (3 ノード)

実測 約 22 W

壁コンセント換算 (スイッチ込み)

推定 50〜65 W (24時間定常)

電力量

約 1.2〜1.6 kWh/日 (月 36〜48 kWh)

電気料金換算 (33 円/kWh)

約 40〜50 円/日、月 1,200〜1,600 円

6月→7月の使用量増加への寄与

約3割 (残り約7割は季節要因=エアコン)

測定手順

RAPL の energy_uj (積算エネルギー、µJ) を 10 秒間隔で 2 回読み、差分から平均電力を算出する。root 権限が必要。

for ip in 192.168.6.11 192.168.6.12 192.168.6.13; do
  ssh shuntaka@$ip 'e1=$(sudo cat /sys/class/powercap/intel-rapl:0/energy_uj); sleep 10; e2=$(sudo cat /sys/class/powercap/intel-rapl:0/energy_uj); echo "pkg_W: $(( (e2-e1) / 10000000 ))"; uptime'
done

Ryzen 7 7730U (Zen3) でも RAPL は intel-rapl インターフェース経由で読める (kernel 6.8)。

測定結果 (2026-07-28 01:04 JST)

ノード

パッケージ電力

load average (1min)

node1

8.4 W

0.96

node2

7.9 W

0.31

node3

5.7 W

0.15

合計

22.1 W

壁コンセント換算の見積もり

RAPL は SoC パッケージのみの値。実際の消費電力には以下が加わる。

  • ノードあたり: DDR4 32GB (3〜4 W) + NVMe (約 1 W) + 2.5GbE NIC (1〜2 W) + ファン (約 1 W) + AC アダプタ変換ロス (10〜15%) → パッケージ + 6〜9 W

  • スイッチ TP-Link SG3210X-M2: 公称ベースで 10〜15 W

よって全体で 50〜65 W (24 時間定常) → 1.2〜1.6 kWh/日。

電気料金データとの突き合わせ

電力会社の日次使用量グラフ (2026年6月・7月) との比較。

期間

平均使用量

備考

6月1〜24日 (クラスタ稼働前)

約 6.7 kWh/日

ベースライン

6月25〜30日 (クラスタ構築後)

約 7.6 kWh/日

+0.9 (構築中で部分稼働)

7月1〜27日

約 11.4 kWh/日

ベースライン比 +4.7

  • 増分 4.7 kWh/日のうちクラスタで説明できるのは 1.3〜1.6 kWh/日で約3割。残り約7割は季節要因(エアコン)

  • 7月のグラフは月初 約8 kWh → 中旬 14〜17 kWh と気温に沿って右肩上がり。クラスタは定常負荷なので月内の増加トレンドは作れない

  • 涼しかった 7/26 は 8.2 kWh まで低下。ベースライン 6.7 + クラスタ分 1.5 ≒ 8.2 で実測見積もりと一致

  • 段階料金制のため上乗せ分であるクラスタ消費には上位単価(7月実効 約33円/kWh)が適用される点はやや不利

限界と補足

  • 深夜 (アイドル寄り) の 1 点測定。日中のビルドやベンチ実行時は瞬間的に上がるが、24 時間平均は TiDB のバックグラウンド負荷が支配的なため大きくは外れない想定

  • 壁コンセントの真値が欲しい場合はワットチェッカー (スマートプラグ) での実測が必要